御所市
5月3日晴れ。元号が変わったので奈良県にお住まいの神々にご挨拶に行きました。伊勢神宮は混んでいるからな。
交通手段は近鉄の在来線で行きました。行きだけで3時間半ぐらいかかりました。特急は甘え。
奈良県といえば奈良の大仏を始めとした、日本の歴史に深く関わる神社仏閣が多い県です。今回は奈良県御所市付近の神社を中心に参拝に行きました。
ルートの構築はこちらを参考にしました。
具体的な歩行記録を先にお見せします。
まずJR北宇智駅(無人駅)で降り、近くにある奈良交通の住川バス停から風の森バス停に向かいました。風の森バス停でバスを降りてからは、上で示したルートでデスウォークしました。巡った場所は以下の通りです。
風の森神社
祀られているのは志那都比古神(シナツヒコ)です。イザナギとイザナミの子で風の神です。上で示した「歩く・なら」の地図だけでは非常にわかりづらいです。
民家の間を歩いていると、写真のような寺のような建造物があります。この中に入って左手に進むと風の森神社がひっそりとあります。
高鴨神社
祀られているのは阿遅志貴高日子根命(アヂスキタカヒコネ)です。オオクニヌシとカギリヒメの子です。
ざっくり説明すると、アマテラス(天の神)に遣わされたアメノワカヒコがオオクニヌシ(地の神)の娘と結婚しました。さらにアメノワカヒコは、アマテラスが追加で遣わした雉も殺してしまい、アマテラスの怒りを買って殺されました。アメノワカヒコの葬儀に出席した彼の父と妻は、容姿が似ているアヂスキタカヒコネをアメノワカヒコと勘違いしました。それに怒ったアヂスキタカヒコネは大葉刈(オオハガリ;大量、神度剣)で喪屋を美濃まで切り飛ばしたという伝説が残っています。
大葉刈といえば「乃木若葉は勇者である」のぐんちゃんが使う力ですね。ぐんちゃん縁の神社が奈良県にあるというのは実に興味深いですね。ぐんたかはいいぞ。
境内は自然に囲まれた荘厳な雰囲気で満ちていて、神様が宿っているような感じがしました。神社の周辺も、日本から切り離された別世界のような美しい景色が広がっていました。
高天彦神社
祀られているのは高皇産霊神(タカミムスビ)とイチキシマヒメ、菅原道真です。タカミムスビはニニギ(天皇の祖先)の母方の祖先(祖父母)に当たる神様です。改元を期にここに参拝に行きたいと考え今回のデスウォークが実現しました。
徒歩で参拝する場合、山道はかなり厳しい道のりでした。駐車場が近くにあるため、可能なら車での参拝をおすすめします。
「高天原伝承地」碑
神々の住まう世界「高天原(たかまがはら、たかあまはら 等。読み方は結構自由)」があったとされる地です。古事記などのよると、世界は高天原、葦原中国(あしはらのなかつくに)、根の堅洲国(ねのかたすくに)の3つで構成されていて、我々が住む世界は葦原中国に当たります。高天原は神々が住むと言われている地ですが、地球上にその地があるという学説も有力なようです。
その高天原があったとされる地の一つが奈良県御所市高天(たかま)です。他には九州地方や韓国などが有力とされています。
神秘的な雰囲気が漂う地なので、このあたりに神々が住んでいると昔の人は考えたのでしょうか。
高天寺橋本院
行基がこの地を訪れた際に霊気を感じて、その後元正天皇が寺としました。
葛城一言主神社
葛城一言主(かつらぎひとことぬし)神社に祀られているのは葛城之一言主大神(ひとことぬし)と幼武尊(わかたけるのみこと)です。全国の一言主神社の総本社で、一言の願いであれば何でも聞き届ける神と言われています。
一言主は事代主(ことしろぬし)と同一視される神様です。事代主は、国譲りを勧められたの際に天の逆手を打って海に身を投げました。天の逆手の解釈には諸説あるようですが、天の神に対する呪詛の一種だといわれているそうです。天の逆手といえば友奈族の武器に宿る力ですね。友奈族が天の神に対するキラーがついているというのはこのあたりに関係がありそうです。
なお、橋本院から一言主神社までの道のりは、写真のような細い石橋を通ったり、歩道のない幹線道路を1時間近く歩いたりしました。繰り返しになりますが、車かバスによる参拝を強くおすすめします。
鴨都波神社
鴨都波(かもつば)神社に祀られているのは事代主と下照姫命(シモテルヒメ;高比売命)、建御名方命(タケミナカタ)です。
御所駅の近くで周りはそこそこ栄えているのですが、鴨都波神社の区画だけは緑で覆われており、神秘的な雰囲気に包まれていました。
以上、3時間半程度デスウォークしました。皆さんはちゃんと車で参拝しましょう。
日本神話に関連する神社が比較的近距離に集まっており、日本の歴史好きにはたまらない地でした。まだまだ行けていない神社がたくさんあるので、また奈良県の神社巡りをしたいと思いました。
いい御所攻めでした。